頭にある脳が身体すべてを支配するという考え方に大転換腸神経系の発見:腸には、その他の末梢神経系すべてを合わせたよりも多くの神経細胞があり、神経伝達物質もそろっていることが分かりました。 これまでの、頭の脳を万能と考える医学の常識が覆されたのです。 胃が痛いのは、大脳がストレスを感じたからではなく、腸の神経症であるかも知れません。 マイケル・D・ガーション博士の学説 1980年代にアメリカのコロンビア大学医学部の解剖生物学教授マイケル・D・ガーション博士が「腸はセカンドブレイン(第2の脳)である」という学説を発表しました。 研究によれば、腸は脳や脊髄の指令なしでも反応を引き起こせる神経系を備えており、腸の神経細胞は他の消化器官と協調して働き、また他の臓器にも直接指令を出す独立したネットワークを形成していることが明らかになりました。 言い換えれば、腸は脳と同様に神経細胞同士で情報を伝達し、その神経細胞が脳に次いで2番目に多いことから、「腸はセカンドブレイン」と称されています。 さらに、腸の情報伝達に欠かせない神経伝達物質であり、幸福ホルモンとも呼ばれるセロトニンがあります。興味深いことに、体内の95%のセロトニンは腸内で生成されていることが確認されています。 腸のセロトニン(全体の95%) 腸内で生成されるセロトニンは、腸以外の消化管や臓器の運動を制御するなど、多くの重要な機能を果たしています。これにより、体内のセロトニンの95%が腸に集中していることが意味深いものとなります。 この腸内で作られるセロトニンは以下のような機能を担っています。
特に、腸内のセロトニンは、正常な蠕動運動に関与しています。これにより、腸内の便が肛門まで運ばれ、正常な排便が行われます。 したがって、腸内でセロトニンの生成が不足すると蠕動運動が低下し、便秘の原因となります。逆に、過剰なセロトニン生成は蠕動運動を過度に活発化させ、消化不良のまま便が排出され、下痢の原因となります。 さらに、ストレスや緊張によって引き起こされる「お腹が痛くなってトイレに行きたくなる」といった症状の過敏性腸症候群(IBS)は、腸内のセロトニンが過剰に生成されることが原因とされています。 脳のセロトニン(全体の5%) 脳内で生成されるセロトニンは、一般的には精神のバランスを維持し、興奮や衝動性を抑制する役割が広く知られています。 その他にも、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの前駆体となっており、セロトニンが不足すると睡眠障害の原因となると言われています。 腸と脳は密接に関係している=腸脳相関 脳が緊張や不安、プレッシャーなどのストレスを感じると、自律神経を介して大腸に影響を与え、便秘や腹痛、下痢などの消化器症状を引き起こします。同様に、うつ病も大腸と自律神経の関与が大きいです。 逆に、腸に病原菌が感染した場合、不安感が増すという報告もあり、脳と腸が密接に関係していることが示唆されています。 腸内には神経伝達物質であるγアミノ酸(GABA)を産生する細菌が存在します。この種の細菌が不足している子どもは、行動異常や自閉症などになりやすく、その治療として腸内環境の改善が試みられています。 腸活の効果
最近では、「腸活」と呼ばれ、腸内環境を向上させるために食事に気を付けたり運動を取り入れたりすることに高い関心を寄せる方が増えています。 「腸活」の効果により、性格が穏やかになったり、顔つきが朗らかに変わったりするなど、劇的でポジティブな変化を経験されている方々が多く見受けられます。すばらしいことですし、喜ばしいことですね! あなたもぜひ、美しい腸内細菌叢を手に入れて、維持して参りましょう♪ 腸活や健康に関するご相談はこちらから
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著者Natsuki アーカイブ
1月 2024
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